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「19大」改革案 党総書記はもう最高権力者ではない=香港メディア

2016年12月05日
「19大」改革案   党総書記はもう最高権力者ではない=香港メディア

【新唐人2016年12月05日】
中央指導機関と責任者を選出する中国共産党「第19回党大会」が来年の秋、北京で開かれます。香港メディアによると、この「19大」で中央指導部の構成と人事編成が大きく変わり、党総書記が最高権力者ではなくなり、国務院総理の職権がさらに拡大すると指摘されています。


香港雑誌『争鳴』は12月号で、11月中旬に中共中央政治局と19大計画チームが「党の工作と党政国家機関部門改革発展に関する提案書」を、中央委員など党内高官に伝達したと伝えました。


提案書には、中国共産党中央組織構造や人事編成に関する改革案が含まれており、以下3点が注目されています。


一、中央委員会主席、2名の副主席を設けること(2名の副主席は、人大委員長と国務院総理が担任すること)
二、中央書記処総書記、常務書記を設けること。中央書記処は日常の党政軍に関する業務を行い、中央政治局、中央委員会主席に対し責任を持つ
三、中央軍事委員会に常務委員会を設けること。また中央軍事委員会副主席は4名に増やすこと。うち、国務院総理と中央書記処総書記が副主席に就くこと


これに対し、時事評論家の唐靖远さんは、新唐人の取材に対してこのようにコメントしました。「これは確定版ではないですが、ある程度の傾向を見せています。新組織で權力の中心は中共中央委員会主席と2人の副主席に移り、軍と国の日常業務を担当する中央書記処は権力の実行部門を担い、総書記の指導下で中央委員会主席に責任を持ちます。これは総書記は中央書記処の一つの役職となり、党の最高指導者でなくなることを意味します。」


「この改革案の最大のポイントは、現行の”常務制”を架空にすることです。常務委員らは事実上の権力を持たず、人大委員長、国務院総理と中央書記処が共同で中央委員会主席を補佐します。こうすることで習近平は江沢民派の掣肘から抜け出すことができるでしょう。」


唐靖远さんは、軍の組織において、中央軍事委員会の副主席を2名から4名に増やすことで2人の副主席の権力を分散させるほか、国務院総理と中央書記処総書記が副主席を担当することで部分的な軍の指揮権が国家行政システムに入れられ、国家が軍の指揮権への掌握を強化したと分析しました。


実は今年5月、香港紙『アジア週刊』は中共トップ指導部が体制の改革を行うと報道しました。改革には政治局常務制を取消し、「七上八下(67歳は留任、68歳は退任という政策)」、最高指導者の後継者の指名などを廃止する内容が含まれると報道しました。


今年9月、政治評論家、陳破空さんは自由アジアラジオの取材で、習近平の反腐敗キャンペーンで、江沢民派の勢力が大きく弱まったものの、23年間最高権力を握った江沢民が、党政軍、宣伝、外交など至る所に自分の側近を配置したため、短期間内に全部取り除くことは不可能と指摘。江沢民派はきっと必死に反撃し、絶えず殺し合おうとするので、習近平は権力を最大限に一手に集中させる必要があると分析しました。


もし来年の「19大」で習近平の側近が政治局常務委員会の多数の議席を占めることができ、または習近平が政治局常務委員会を上回る権力を駆使することができれば、習近平は第2任期の時、自分の思い通りに改革を進めることができます。彼が中国共産党の一党独裁を歩み続けるか、思い切って憲法を中心とする民主主義へ踏み出すか、その時に明らかになります。


陳破空さんは、「どのような歴史的な役割を選ぶかは、彼自身の選択で決まります」とコメントしました。

新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/12/01/a1299614.html(中国語)

(翻訳/吉田)

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